福島県会津産 最高品質・高級コシヒカリ 「会津継承米 氏郷」 オンラインショップ

銀座久兵衛 ホテルオークラ店 店長 鴫原 誠氏

久兵衛

「会津継承米 氏郷」をご使用いただいている、『銀座久兵衛』 鴫原誠さんにお話を伺いました。

銀座久兵衛 鴫原誠さん)お寿司、どうでしたか?

会津食のルネッサンス 代表 本田勝之助)ん~、ほんと美味しかったです!

鴫原さん)それはよかったです(笑)。「氏郷」は噛むとふっくらして甘みがありますね。口に入れた瞬間は少し硬いかなと感じるんですけどね。一粒一粒の主張が強いお米だと思います。お米自体が強いんでしょうね。

本田)そうですね。継承米「氏郷」は一粒一粒の生命力が高いお米です。このお米は、稲が土に含まれる栄養分を自ら採りに行こうとする力を引き出す農法で作られています。自分で栄養を採ろうとして根を張る。その根を張るときに土がカチカチだったり、土に良くないものが入っていたりすると栄養が充分に採れない。やわらかいトロっとしたような土だからこそ根がグーっと思いっきり張っていく。自分が栄養を採ろう採ろうとしたときに取れる状態の土だからこそ、生命力が高くなっていくんですね。

鴫原さん)炊き上がり、米がしっかり立ってますよね。お酢がやわらかく感じます。お酢がお米にしみ込まず、ちゃんと表面に付いていますから、つぶつぶして甘酸っぱく美味しいです。 良くない米はお酢が米に浸透してしまって、舌でお酢の味を感じようとするときにわからなくなってしまうんです。

本田)昔のお米って炊き上がりかまどの蓋を開けたとき粒が立ってましたよね。炊いているとき、水の重さとか水が吸収されていくと水が下に向かっていって、お米にも重量がかかってつぶされているような感じでお米が炊き上がっていく。そのときに生命力の強い米は、一粒一粒がしっかりしているから立ってるんですね。新米に変わってどうですか?

鴫原さん)もう少し水の調節が必要ですね。シャリをまぜるのを切るって言いますけど、炊き加減は、私たちはその時いちばんわかります。新米は少し重く感じますね。その日によって微妙に炊き加減も違うんですよ。気温や湿度によっても違いますしね。 シャリの切り方や水加減は人によって少し違いがあって、うちは個人のお店と違っていろんな人がいるのでそこを一定させていくのが大変なんです。 あと、握ったときの手の感触。口よりも確かです。味ももちろん比べればわかりますけどね、微妙な違いは感触の方が確かです。

本田)職人さんだからわかる、微細な違いなんでしょうね。うちでやっているおむすび専門店「穂の香」のスタッフも、毎日沢山のおにぎりを握っていますから仰ることが少しは理解できるのかもしれません。一度、米を握る触感についてスタッフとも話してもらいたいです。

鴫原さん)うちはシャリを普通のごはんに近い温度で出してるんですよ。人肌よりも温かく。お刺身は温かいごはんで食べると美味しいじゃないですか。 魚はのど越しで食べますから、あまり噛まずにぱっと食べる人をみると、この人寿司をわかっている人だなって思いますね。噛みすぎると繊維が出てきてしまうし醤油の風味も飛んでしまいます。

本田)良いものやそれを作る人たちへの敬意でもありますよね。美味しく食べるというマナーそのものが。美味しいものを作ったり、届けたりする人はみな食べる人に良かれという善意をとても感じます。でも、それが残念なことに少なくなっていますね。

鴫原さん)お魚も高くてもいいからいいものを持って来てって言ってるんです。いいものを求めるようになると、漁師さんたちもいいものを取ろうという気になってくる。いいものを残していくには持って来いって言う人がいないと、お客様に届かないし、残ってもいきませんから。

本田)お米もそうです。いい米持って来いって言う人がいてくれたら、じゃあいい米作ろうって農家が動き始めますよ。もっといい米をつくりたいという農家が少なくなっている一つの視点は、持って来いって言う人がいないからかもしれません。それを育てていきましょうというのが「継承米氏郷」のブランドです。

鴫原さん)喜んでくださるお客様がいるから、そう言えるんですね。いいものに対して価値をつけてあげないといけないと思います。その代わり少量でも、品質は絶対に保障することですね。

本田)いいものができなかったらお客様に出さないというのは私たちも同じです。先ほどと少し逆の話にもなりますが、人が入っているから出していこう、量も出していこうって、売りばかり求めていくと品質がどんどん下がってしまいます。自信が持てるものは結果出せなくなってしまいますよね。オファーがあっても量が限られるのであればそれが限界。量を増やす努力はするけど、そのスピードに合わせていくこともとっても大事です。

鴫原さん)良心的な農家さんの給料は3倍くらいにしないとだめですよ。(笑) 熱心な農家さんは給料が3倍高いからっていっても、よりもっといいお米を作ろうって、いい仕事をするためにお金をつかってくれるだろうと思いますね。

本田)再生産価格ですね。来年もまた作りたい、もっと美味しいものを作りたいって思えるような価格が適正な価格だと思っています。今は、農家が安心・安全に生活していけないような価格が多いです。それでいて消費者の食の安心・安全は保てません。価格もとても大切です。 農家さんたちは法外な高い値段を言ってくる人はいません。俺らはこれくらいもらえば、胸張っていい米作っていける。と、本当に適正な価格として受けてくれます。頻繁に小さな交渉はありますけど(笑)。良い農家さんは買い手のことも良く考えています。適正な価格を知っているのだと思います。そういう意味で「氏郷」の価格は無理して買うものでもなく、買い続けられる価格設定にしています。

鴫原さん)やっぱり人ですよね。美味しいものを作るのはうちの場合も従業員の努力がいちばん大事です。味見はみんなで徹底的にやります。ねたの味はもちろん、握り具合はどうかとか、上下の関係なく全員で言い合います。「氏郷」は口に入れたとき全然違って、すぐに決まりましたね(笑)

本田)それは嬉しいです。その言葉を作っている農家さんにこそ伝えますし、聞いて欲しいですね。

鴫原さん)あと、お客様の声が聞けるかどうかで職人の成長や腕が違ってきます。お客さんの言葉だけでなく食べ方や表情も見ています。お客様の声を聞き逃さないようにいつも耳も心も澄ましています。こちらの気持ちでお客様もかわりますから、いつも自信をもっていたいですね。 10年も20年もお店に通ってくれる人がいる。一つの傾向としてお客さんの中で年を重ねるほどシャリを多くしてくれっていう要望があるように感じます。どうしてかと考えるとやっぱり日本人だからでしょうか。そこに美味しいお米があったらそれを食べたいって思うんでしょうね。

本田)そういえば「穂の香」のスタッフも毎日おにぎりを食べてますね。普通は毎日作っている人は食べたくなくなると思うんですけどね。一日何百個おにぎりを作っていても、お昼に自分で買って毎日食べていますね。むしろ食べたいって言うんだからすごいと思います。そういうのが日本人にとっての「ごはん」なんでしょうね。

鴫原さん)美味いごはんの時は引き立てるおかずがあればそれでいいって思います。 以前は朝食を食べなかったり、食べてもパンでした。そんな自分が、毎朝おにぎりをパクパクっと食べて出かけます。おにぎりだと食べられるんです。若い人には朝からお米を食べてくれって言いたいですね。冷凍しておいてまた食べても美味しいですしね。 お米を食べるときは粗食がいいです。 美味しいごはんを食べてるとごはんが主役になりますね。 おかずがたくさん口に入っているとごはんの味がわからないでしょう。 最近は、おかずでごまかしてごはん食べてるって感じですよね。 昭和30年代はちゃぶ台で食べてたごはん。粗食はごはんもおかずも引き立てますね。

本田)美味しいごはんを食べるとそれで満足から、それ以外にもあれが食べたいこれが食べたいってなくなりますね。結果、粗食になるんですよね。 身体が健康になると、食べ物が変わるって言う人も多いです。逆に、食べるお米が変わったら身体も変わったという人もいます。健康になると身体に良くないものが美味しくないと感じるようになる。身体に良くないものは欲しくない、と自然に思うようになる。 自然の中で自然の恵みをしっかりと吸収して育ったものを求めるようになる。自然の力を農作物からもらうんでしょうね。 そういうものが減ってきていますよね。それを壊してきた人間、社会があったから今こうなっているのでしょう。

鴫原さん)日本近海でもいい魚が取れなくなってきています。どんどん手に入りにくくなっているんですよね。必要な分だけ取って取り過ぎない、小さい魚などは取らず保護して欲しいですね。個々でやることも大切だと思います。お客さんにもどんどん言いますよ(笑)。思ってないと言えないことですからね。みんなで少しずつやっていきましょうよ。

本田)私も同感です。今までいい米を作っても価格に反映されなかったり、それを知って買い求めてくれる人がいなかったり、流通会社との距離があってきちんと消費者に伝えてもらえなかったりで、農家さんは裏切られてきた感がすごく強いんです。だから土作を大切にしたこういう米を作りたい、って話しても農家さんも本当に?!って足踏みします。 4年目でやっと、言ったとおりにいい土作りができたし、農家さんも食べてみたらやっぱり美味いし、これからもこの人たちと一緒に夢を持ってやっていきたいって思ってもらえるようになりました。信頼関係できて、農家さんがいよいよ自分も試験的でなく生産を増やしていきたいと言い始めてくれている今だからこそ、自分たちも多くの人に伝えていくタイミングなんだと思っています。作れる人がいなくなってしまってからでは遅いし、買う人がいないと作れなくなってしまう。あと2、3年が勝負ですね。

鴫原さん)期待しています。こういうのは時間がかかりますからね。 いいものを一生懸命やっている人がいたら、頑張っているなって思う人がいたら、お金でいくらなのかっていうのは後だと思います。金額よりまず大事なのは気持ちですよ。 お魚も、釣っている漁師さんにいつもお礼と感謝の気持ちでちゃんと握るんだぞってみんなに言っています。 いい仕事をしようとするとそうなるんですよ。お客さんにいいものを食べてもらいたいっていう思いで仕事をしていれば、結果は必ずついてくるんです。

本田)お客さんに美味しいって言ってもらえる素材と磨かれた技があるんですね。 自然を大切にして、自然の恵みを受けたものを作っている人たち、その人たちが掛けている労力、費やしている命、それに対する感謝を忘れない仕事。敬意と善意ですね。  この作り手の善意と受け手の敬意の高さこそが食文化の高さだと思っています。 こちらのお店は、本当に人の心を大切にし、素材に感謝し、敬意を持ち、そして食べる方へ良かれの善意一杯で、日々、技と心を鍛錬されているんですね。  ここまでくると、本当に感動です。また、心から感謝申し上げます。 帰って、農家さんにみなさんが喜んでおられること、そして大切にお米を扱ってくれることを伝えていきます。

今日は、本当にご馳走様でした。
ありがとうございました!

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